「劇団四季の赤毛のアンがつまらないのは、キャストのせい?」
劇団四季の赤毛のアンのキャストは、ダブルキャスト・トリプルキャストとなっている役があります。
そのキャストによって、劇団四季の赤毛のアンの口コミに「つまらない」と言われているのか、違う理由でつまらないと言われているのか、実際に劇団四季の赤毛のアンを観たことのある私が考察しました。
この記事では
- 劇団四季の赤毛のアンがつまらないと言われている理由
- 劇団四季の赤毛のアンのキャストの評価
について書いているので、ぜひ参考にしてください。
劇団四季の赤毛のアンは口コミでつまらないって言われてるらしい?!
劇団四季のミュージカル『赤毛のアン』を観て、「つまらない」という方がいるのは本当です。
観ている途中で飽きてしまうようなんですよね。
私が考えるには、「つまらない」と感じた方は、劇団四季の『赤毛のアン』がつまらないのではなく、原作の『赤毛のアン』自体をつまらない、と思う方々だと思うんです。
「赤毛のアンがつまらない」は物語が原因?
『赤毛のアン』はカナダ人の作家、ルーシー・モンゴメリーによって書かれ、1908年にアメリカの出版社から発行されたシリーズものの長編小説です。
想像力豊かな孤児で赤毛の女の子「アン」が、独身兄妹のマシューとマリラの元に引き取られ、時には衝突しながらも愛情深く育てられていきます。
時折り友達や村人を巻き込んで日常生活に起こりえるハプニングが発生しますが、全体的にはほっこりとした心温まるアンの成長物語です。
劇団四季が『赤毛のアン』として上演しているのは、アンが11歳~16歳の頃の話なので、特に恋愛要素はありません。
ほんのり初恋、をにおわせるような点はありますが。
大冒険や波乱が起こるような物語ではなく、淡々と過ぎる日常の中で、人々の交流を描いた作品です。
この点がドキドキワクワクを求めてきた人には、間延びしてつまらなく感じてしまう部分なのではないかと思います。
現に本の『赤毛のアン』の面白さがわからない、という方は一定数いますからね。
作者モンゴメリーの故郷・カナダでは、『赤毛のアン』の面白さを日本人ほど理解できる方が多くないようで、「なぜ、地球のほぼ裏側の日本でこんなに『赤毛のアン』が人気なんだ?」となっていたようですよ。
私が『赤毛のアン』の舞台、プリンスエゴワード島に憧れて、一人旅に行った時に現地のテレビ局CBCに「カナダで人気がそんなにない『赤毛のアン』が、日本の女の子に爆発的に人気が何故あるのか特集するので、取材させてほしい」と依頼されたことがあります。
私は特にテレビ活動などしていない、ただフラッと旅してたOLだったんですけれどね。
その時のものが放送されたかどうかは、帰国してしまったので知りません。
カナダ中に放映されたのかな?私。
そういうわけで、『赤毛のアン』がつまらないの意見は、劇団四季だからつまらないのではなく、ストーリー自体に魅力を感じない人の感想だと思います。
私の感覚だと、『ライオンキング』に面白みを感じない人は、『赤毛のアン』にも興味がでないのではないかな、と思います。
『ライオンキング』もシンバの成長物語がメインストーリーですからね。
劇団四季の赤毛のアンはつまらなくない!
劇団四季の赤毛のアンは、全体的に高評価なんですよ。
ストーリーが好きで観に行く方はもちろん、ストーリーをそれほど知らなくても観に行って楽しめたという方、多数です。
観た方の感想としては、やはりダンスと歌がとっても良い!が多くあります。
特に劇団四季の『赤毛のアン』は群舞に高評価がつきますね。
役としては11歳~16歳の子供なので、衣装など子供っぽいのを着ているのに、演じているのは大人、オーディションを潜り抜けてきた劇団四季の団員ですからね。
キレがあります。
劇団四季の「赤毛のアン」を観てきました
流石に圧巻の歌と踊り。アンのストーリーとミュージカルの形式が相性抜群でした。
あんなにもウキウキと楽し気なマシューが見られるのはここだけかも。アンは全体を通して少し強い女の子に見えました。
個人的にはダイアナが一際輝いていたように感じます。
X|アモT@読書とか|2025.6.18
劇団四季『赤毛のアン』
とっても素敵な物語だった
四季はやはりダンスとか立ち回りのレベルが本当に違うなって毎回思ってしまう。
アンの成長や、アンのことを周りが徐々に受け止めていく姿に感動した~!!友達も一緒に楽しめてほんと良かった!また行こうね~
X|もなか@サブ垢|2025.7.5
8/14赤毛のアン
ゴスレで劇団四季にハマったので、観てみようと思って取った席。
赤毛のアン、実はあまり知らなかったけど、常にアンが伸び伸びとしてて観ていて気持ちが良かった。アイスクリームの歌が耳に残る!
X|らん|2025.8.15
上の方も書いていますが、本当にアイスクリームの歌は耳に残るんですよ。
私は同僚と一緒に劇団四季の『赤毛のアン』を観に行きましたが、同僚は観劇後1週間ほどふとした時に「アイ・スクリーム♪」なんて口ずさんでいましたからね。
また、劇団四季の赤毛のアンの高評価のポイントとして、演じる方の表現力の高さもあります。
淡々と日常を描く物語ですが、そこにコミカルさを加えたり、切なさや温かさを加えたりと、気付けば目がウルウルっとしてしまう、そんな瞬間もあるんです。
舞台の時間の都合上、多少原作と内容を変えてはいますが、無理な変更はなく受け入れられる範囲での変更です。
人々の交流を描いた温かいストーリーを、最上級の歌とダンスを織り交ぜて見られるのですから、劇団四季の『赤毛のアン』を一度観ることをおすすめします!
劇団四季の赤毛のアンのキャストの評判は?
劇団四季で現在公演されている『赤毛のアン』は、役によってはダブルキャスト・トリプルキャストとなっています。
同じ役で同じストーリーを演じていても、キャストによって作品の雰囲気や役の解釈が変わってくるので、ここでは2025年の全国公演『赤毛のアン』に出演されている方の評判をお伝えしていきます。
アン・シャーリー:三代川柚姫
三代川柚姫(みよかわゆずき)さんは、『アナ雪』のアナや『マンマ・ミーア!』のソフィ、『キャッツ』のシラバブを演じられてきた方です。
子供のころから活躍していて、子役の登竜門ミュージカル『アニー』でもジュライ役で出演経験がある実力派なんですよ。
そんな三代川柚姫さんが演じるアン・シャーリーは、まるでアニメでやっていた『赤毛のアン』のアンそのもの、と言われています。
表情豊かで感情表現がストレート、鈴を転がすような歌声が11歳の子供らしさにピッタリ!
コミカルで笑わせるのが上手いし、セリフも歌もとっても良いと高評価です。
三代川柚姫さんについてはこちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひご一読ください。
三代川柚姫の劇団四季デビューはヤングナラ?年齢などプロフィールは?
アン・シャーリー:林香純
林香純(はやしかすみ)さん、2008年に劇団四季研究所に入所して、その年に『赤毛のアン』のティリー役でデビュー、2年後の2010年には主役のアン・シャーリー役を2012年まで演じたんですよ。
しかしその後は声帯に関する病気にかかり、手術で回復をしたものの歌うのが怖くなってしまったという、つらい経験の持ち主です。
今回のアン・シャーリーで復活するまでは、「また声が出なくなったら」との不安を抱え、セリフのないライオンキングのアンサンブル2枠を7年間も演じていました。
好きな舞台に立っているのに怖くて実力を発揮できない、という心境はどいうものなのでしょうか。
それも7年間も。
私は、林香純さんがとても忍耐強い方だと思います。
そして「声が出なくなったら」という恐怖に打ち勝って登場した今回のアン・シャーリー役の評価といえば、観た人皆さん大絶賛です!
後半に進むにつれてアンが成長している姿を丁寧に演じているし、ギルバートに対する恋心というか気になる感じもわかりやすく表現されている、など表現力の高さが評価されています。
また低音から高音までを歌い上げるスキルはすごいし、高音も威力のある声が出るから勝気なアンにピッタリと、歌唱力の高さもかなり評価を得ています。
アン役は長セリフがありますし、圧巻の声量で歌い上げる場面もあります。
喉の不安はまだどこかあるでしょうが、そんなことを微塵にもださない林香純さんを私は思わず応援したくなっちゃいます。
マシュー・カスバート:飯野おさみ
1972年に劇団四季に入団した飯野おさみ(いいのおさみ)さんは、1980年に『赤毛のアン』でギルバート・ブライス役を演じています。
今回御年78歳で、マシュー役を演じています。
78歳で新しい役に挑戦とは、すごいですよね!
飯野マシューは、アニメのマシューがそのまま舞台に出てきた!と評判です。
口下手なマシューなのでその分、目や仕草で表現しなければなりません。
飯野マシューのまなざしは優しく、不器用ながらもアンをかわいがろうとした結果の可愛い仕草が、もう温かくて、ストーリー通りの温和なマシューがいるんですよね。
また、78歳にもかかわらず軽やかなダンスとしっかりした声量での歌。
演技も歌もダンスも、申し分ないと高評価です。
マシュー・カスバート:菊池正
菊池正(きくちただし)さんは2025年現在、69歳です。
原作の『赤毛のアン』のマシューは、アンを引き取ったときが60歳、その後5年間、アンと共にすごしたので、菊池マシューは比較的年齢が原作に近いマシューですね。
菊池マシューは、愛とやさしさが溢れているマシューです。
落ち着いた優しい声と穏やかなたたずまい、そして時折見せるちゃめっけさ。
アンに出会った当初は戸惑いつつも、徐々に仲良くなって笑顔が溢れていく様子は、見ていてほっこりします。
そして、亡くなる直前の場面には、思わず涙が誘われます。
マシュー・カスバート:堀米聰
イケオジマシューと呼ばれる堀米聰(ほりごめあきら)さんは、1984年の公演でギルバート役を演じていました。
41年ぶりの劇団四季『赤毛のアン』復活ですね。
堀米聰さんは2025年時点で63歳です。
今回キャスティングされている中では、一番若いマシューですね。
その点を意識されているのか、堀米マシューはすべてにおいて、わずかにワンテンポ遅れて行動するのです。
そこがまた、年を感じて実に良い味を出しています。
また、堀米マシューは心優しいく思いやりがあり、アンへの愛情やマリラへの思いやりが実によくでています。
マリラ・カスバート:大橋伸予
「ひばり」や「オンディーヌ」、「李香蘭」など数々の作品に出演しているベテラン・大橋伸予(おおはしのぶよ)さんは、2012年の劇団四季公演『赤毛のアン』でダイアナの母親・バリー婦人を演じています。
本公演では、マリラ役で登場です。
大橋マリラは、とても演技が素晴らしいと好評です。
マリラの厳格な感じや、感情表現が不器用なところがしっかりと出しつつも、強くて優しい性格が丁寧に演じられています。
アンを深く愛している姿が表現されていて、ラストは号泣というお客さん続出のようです。
マリラ・カスバート:中野今日子
どの作品でも表現力がとても素晴らしいと評判の中野京子(なかのきょうこ)さん。
劇団四季の『赤毛のアン』では過去に、マリラ・カスバート、レイチェル・リンド夫人、バリー夫人を演じたことがあるベテランさんです。
そして今回演じるのは、再びマリラ・カスバート役です。
作中のマリラはクールで毅然とした人柄で、感情表現を得意としません。
そんなマリラを中野さんは抑制した表現でうまく表しています。
厳しくも深くアンを愛するマリラを演じる中野京子さん。
「この人あってのマリラ」という人がいるくらいの演技です。
劇団四季の赤毛のアンはストーリーが苦手でなければ見るべき!
『赤毛のアン』は、孤児だったアンがマシューとマリラという兄妹に引き取られるところから始まるシリーズものの長編物語です。
劇団四季がミュージカルにしている『赤毛のアン』はその最初の物語、アンが11歳~16歳の頃のお話です。
そのため恋愛要素はほぼなく、日常起こりえるハプニングや人々の交流が描かれ、心温まるストーリーとなっています。
言ってしまえば、平凡な日常の物語。
それを「たいくつ」と感じる方には向いていないかもしれませんが、ハートフルな物語で、今は失われつつある人々の交流に胸を打たれる方が多くいることは、間違いありません。
そして素敵なストーリーに、劇団四季のレベルの高い歌やダンス、演技が加わります。
気になる方は必見ですよ。
また、役者さんによって物語の味が少しずつ変化します。
劇団四季の場合は、キャストがぎりぎりまでわからないので選べません。
しかしどの方も高評価なので、ぜひ楽しんで観てきてくださいね。
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